現在、携帯電話が主流になってきていますので、固定電話においても相手先に電話する際には、市外局番からダイヤルする方も多いかと思います。
しかし、古くから同じ地域に住んでいる方の場合、同じ市外局番の相手へは省略してダイヤルすることが習慣になっている、あるいは電話帳などにも市内局番から登録しているという方も多いものと思います。
市外局番を省略することにより、ダイヤルを短縮できるということの他に、省略できる通話は、市内通話となり、通話料金も安くなるというメリットがあります。
もっとも、ひかり電話の場合には、どの地域でも固定電話間であれば8.8円/3分(令和6年1月時点)と全国一律ですので、料金的なメリットは薄れつつあるのが現状かと思います。
ただし、NTT全体の固定電話の加入件数の内、ひかり電話の普及率は約6割となっており(平成29年現在)、ひかり電話以外の従来の加入電話を利用している世帯も多く、そうなるとやはり、市内通話なのかどうかということは気になるところかと思います。
ちなみに、加入電話の市内通話料金は、以下のようになっています。
《追記》------
2024年1月1日からの固定電話のIP網移行後の料金は下記のようになっています。
9.35円/3分 | 全国一律 |
これにより、同一MA内で通話料金が安くなるといったメリットは無くなりましたが、同一MA内では市外局番を省略できるというメリットはあるようです。
【参考】
同じ市外局番でも、市内局番からダイヤルするだけでつながるところと、市外局番からダイヤルしなければつながらないところがあるのはなぜですか?(NTT東日本)
------《追記ここまで》
市外局番を省略できるということは、こうしたメリットがあるわけですが、以下のようなケースでは、局番を省略しても繋がりませんので、注意が必要です。
●携帯電話から固定電話にかける
●050IP電話から固定電話にかける
●桁ずれにより、局番が変更になった
●市外局番は同じだがMA(単位料金区域)が異なる
携帯電話から固定電話にかける
発信先の局番を省略できるできないの判別は、発信元の電話番号が市外局番からはじまる固定電話番号であり、どの電話局が管轄しているのかがわからなければなりません。
携帯電話番号は、固定電話のように市外局番というものがありませんし、移動通信を前提としていますので、基地局も一定ではありません。
よって、携帯電話から固定電話にかける際には、局番を省略することができません。
050IP電話から固定電話にかける
050から始まるIP電話は、固定電話ではありますが、ご存じのとおりインターネット回線を利用した電話です。
これも同じく、番号に市外局番とういうものがありませんので、発信先の局番を省略することはできません。
ただし、「IP電話対応機器」に事前に、こちらの利用場所の市外局番を設定している場合には、省略することができます。
桁ずれにより局番が変更になった
固定電話番号は、固定電話番号の仕組みでも解説しましたが、「0+市外・市内番号5桁+加入者番号4桁」という構成になっています。
加入者の増加により、市内局番を増やす必要が出てきた場合、加入者番号の4桁は増減できませんので、市外・市内番号の5桁の中でそれぞれを配分しなければなりません。
例えば、それまで「0ABC-DE-FGHJ」だったものが、市内局番を増やすために、「0AB-CDE-FGHJ」のように、市外局番を1桁繰り下げ市内局番に割り当てるということをします。
これが「桁ずれ」と呼ばれるものです。
桁ずれが行われた相手先番号にかける際、それまでと同様に「0ABC」を省略してしまうと、市内局番の頭の数字も省略されてしまい、まったく違った番号になり、繋がらないか、もしくは違う相手に繋がってしまうということにもなりかねません。
市外局番は同じだがMA(単位料金区域)が異なる
MA(単位料金区域=Message Area)とは、市内通話料金(昼間3分8.5円)で通話できる区域のことです。
一般的に、市外局番を省略して通話できるというのは、このMAと市外局番が一致しているためです。
しかし、上記桁ずれ等の影響で、同一市外局番の中に複数のMAが存在する地域もあり、その場合、MAが異なるために同一市外局番であっても省略できないということもあるのです。
あくまで省略できるのは、双方の局番が同じMAであることが前提です。
その反対に、同一MAでも市外局番が複数存在するという地域もあります。
その場合には、省略はできませんが、通話自体は市内通話で可能だというケースもあります。
以上の点を踏まえ、参考までに、市外局番とMAが一致しない地域を以下、一覧表にまとめてみました。